定盤の基礎知識
2023.12.19
定盤は、一般的には機械装置の加工/組立/検査/実験などを行うための基準平面(水平面)として用いられます。
その平面は「機械加工」「きさげ」等により、必要な精度に仕上げられています。表面は、機械や装置を固定するために、T溝加工やタップ穴加工が行われることが多く、測定のための基準線や基準溝を加工することも可能です。
また、必要となる平面精度を保証するために、剛性が高い材質が用いられ、その構造もリブ構造や箱型形状が多用されます。また、経年変化による平面度変化を校正するために、レベル調整機構が組み込まれている場合が多いです。
近年、その用途は自動車やエンジン等の振動実験、音響計測など多様化しており、防振機能など多様な機能が求められるようになってきております。
主な定盤の材質は、
という3種類があります。
鋳鉄定盤は、主にねずみ鋳鉄(FC材)でつくられ、振動吸収性が優れておりマグネット工具なども使用できるというメリットがある一方で、メンテナンスを怠ると錆が出る、経年劣化・摩耗により精度が落ちるといったデメリットもあります。
石定盤やセラミックス定盤は、錆びない・耐摩耗性が高いといったメリットがありますが、割れや欠けが生じやすいため注意が必要です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>定盤の材質 ~鋳鉄定盤と石定盤~
定盤は、設置方式の違いにより、
という2つに分けることができます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>定盤の埋込タイプと据置タイプの違い
定盤上で検査や実験を行う場合、定盤の「平面度」は測定値の信頼性に影響します。平面度の許容範囲は、JIS規格(JIS B 7513)により0級、1級、および2級の3等級に区分されています。
0級クラスの定盤は、工作機械の仕上げ加工の検査を行う基準面となる精度で、機械装置の加工/組立/検査/実験などを行う場合は2級クラスで十分と言われています。
平面度2級クラスは、一般的には機械加工(フライス仕上:回転運動により切削加工)で仕上げられることが多く、それ以上の精度が必要な場合は、研削加工またはきさげ仕上げが行われます。また、T溝加工やネジ穴加工、ケガキ線加工も機械加工で対応できます。
>>定盤の平面度とその測定方法
定盤の剛性は、その上に置く機械や実験装置の荷重負荷によって、大きな変形が生じ平面度が低下しすぎないように設計する必要があります。剛性は、その材質と構造で決まります。定盤の高さ、肉厚、リブの配置、断面形状は剛性に大きく影響します。なかでも、下面を開放にするのではなく、閉断面とする構造が剛性を高くするのに効果的と言われています。
鋳物定盤カスタムナビを運営する大和重工株式会社には、定盤の製作実績が多数ございます。
大和重工の定盤「Daiwa定盤」には、上記写真のようにCAEを使用した構造解析を実施しております。定盤の耐荷重は、剛性と支持点の数によって決まります。積載する機械や装置の最大荷重に基づき、変形が許容値以下となるように設計いたします。必要に応じて、CAEによる構造解析を行い、変形状態を詳細にシミュレーションすることも可能です。
定盤平面度の精度は、機械加工を行った時点と据え付け後では異なります。
「Daiwa定盤」は、据え付け後で平面度の保証を行えるように、事前打合せを十分に行い、搬入方法、基礎への固定方法、レベル調整方法などを決めさせて頂き、据付作業も責任を持って請け負います。
一見すると困難に思えますが、定盤据付時の精度を維持して使い続ける事も、「Daiwa定盤」なら可能です。
「Daiwa定盤」には精度を維持し続けるために必要な機構が備わっています。定期的にメンテナンスを行うことで、据付時の精度を維持できますので、定期メンテナンスも安心してお任せください。
当社が製作した定盤をご紹介します。
レイアウトマシン用の基準溝が必要とのご要望をいただいたため、キー溝とタップ穴加工を行いました。また、建屋の設計段階からご協力させていただき、スムーズに据付工事まで実施することができました。
製品の試験を行うための定盤として、高剛性で平面度も担保できる定盤のご要望をいただきました。当社では設計段階での荷重条件等の構造解析を行いますし、独自のボックス型構造を採用し剛性も担保している定盤という点でご評価いただきました。
定盤の製作なら、3m×8mまでの超大型鋳物定盤の設計から製作・施工まで一貫対応が可能な鋳物定盤カスタムナビにお任せください。