定盤の基礎知識
2024.10.29
防振定盤は、精密な測定や高精度な加工を支えるために欠かせない装置です。外部からの振動が測定精度に与える影響を抑えるため、防振システムを組み合わせた定盤が必要となります。本記事では、防振定盤の概要や使用される防振装置の種類、用途、さらに大和重工が提供する定盤の強みについて詳しく解説します。
防振定盤は、定盤上や周囲からの微細な振動を抑えるために設計されています。特に精密測定や高精度加工を行う現場では、振動が測定精度に直接影響を与えるため、防振対策は不可欠です。例えば、工場内での機械稼働や外部振動源が原因で、ミクロン単位の測定誤差が生じることがあります。防振定盤を使用することで、振動が定盤に伝わるのを防ぎ、正確な測定環境を確保します。
精密測定において、外部からの振動は測定精度に大きな影響を与えます。定盤が微細な振動を受けると、測定機器の読み取り精度が低下し、誤差が生じる恐れがあります。特に、工場内で動作する機械や建物の振動源が発生する振動は無視できません。振動対策が不十分だと、製品の品質や生産効率にも影響が及ぶため、防振定盤の導入が重要です。
振動は、精密測定だけでなく、高精度な加工プロセスにも悪影響を及ぼします。微細な振動が加工中の工具や加工物に伝わることで、加工精度が損なわれることがあります。特に、金属加工や精密部品の製造現場では、振動対策が製品品質の向上に直結します。防振定盤を導入することで、作業環境を安定させ、加工誤差を最小限に抑えることが可能となります。
防振定盤の役割は、床や周囲からの振動を抑え、定盤上での作業に影響を与えないようにすることです。防振ゴムや空気バネを使用することで、振動を効果的に吸収し、定盤や測定機器を安定させます。これにより、測定や加工の精度が向上し、生産効率の改善が期待できます。
防振機能は、精密測定や機械の耐久性を保つために重要です。
定盤は、正確な測定を行うための基準面を提供しますが、工場の床や周辺機器から伝わる振動が基準面に影響を与えると、測定結果が狂う恐れがあります。防振装置を導入することで、外部振動から定盤を保護し、測定精度を確保します。
振動は、長期的には定盤の摩耗や変形を引き起こし、寿命を縮める可能性があります。防振システムは、これらの影響を軽減し、定盤の耐久性を向上させます。
防振定盤には、振動を吸収し定盤の安定性を確保するために、いくつかの防振装置が使用されます。代表的な防振装置は以下の通りです。
空気バネは、低い固有振動数を持ち、高い防振効果を発揮します。荷重が変動しても性能を維持できるため、精密機器の測定や高精度な作業に最適です。自動レベル調整機能が付いており、定盤の高さを一定に保つことができます。
ゴム製防振パッドは、安定した防振効果を提供し、コストパフォーマンスにも優れています。レベル調整機構はありませんが、取り扱いが簡便で、振動の影響を抑える用途に適しています。低価格ながら、特定の用途では十分な防振性能を発揮します。
コイルバネは、主に振動の大きな環境で使用されます。大きな荷重にも耐えられるため、大型機械や設備向けに適しており、定盤に使用することで安定性を確保します。
防振定盤は、様々な産業分野で使用され、特に以下の用途において重要な役割を果たしています。
自動車や産業機械に使われるエンジンや減速機は、稼働中の振動が大きく、精度の高い測定や試験を行うためには、防振定盤が不可欠です。防振定盤により、外部からの振動や機器の振動が影響しない安定した環境を提供します。
精密な機器や部品の測定、製造工程においても、防振定盤は必須です。例えば、半導体や光学機器などの製造現場では、わずかな振動が製品の品質に大きな影響を与えるため、防振対策が求められます。
これらの用途において、防振定盤は測定精度や製品品質の向上に寄与し、企業の競争力を高める要素となっています。
防振システムの選定において、まず作業環境の振動レベルや必要な精度を確認することが重要です。作業場所や使用機器に応じた調査が、適切な防振対策を講じるための基礎となります。
防振システムには、様々な種類があります。エアーマウントや空気バネは高精度な振動吸収効果が期待でき、振動をほぼ完全に抑えることが可能です。しかし、その分導入コストが高いため、精密な測定を必要とする現場には最適ですが、すべての現場で必ずしも必要ではありません。逆に、防振ゴムのような簡易なシステムは、コストが低い反面、吸収できる振動の範囲が限られます。したがって、予算と必要な防振性能をバランスよく考慮し、最適なシステムを選定することが求められます。
大和重工の防振定盤は、正確な基準面を提供するために、高剛性な鋳鉄製の定盤を使用しています。この定盤は制振性に優れ、変形を防ぎつつ、固有振動数を高めることで外部からの振動影響を最小限に抑えます。鋳鉄の箱型構造により、3m×8mまでの無継ぎ定盤が製作可能で、さらに複数の定盤を連結して大規模な作業環境にも対応できます。
大和重工は、作業現場や試験機器のニーズに応じて防振システムをカスタマイズします。例えば、空気バネ(自動レベル調整機構付)を使用した場合、振動吸収能力が高く、荷重変動にも対応できる優れた防振効果が得られます。自動レベル調整機能により、振動源の影響を抑えつつ、安定した測定や作業を実現します。また、ゴム製防振パッドは低コストで手軽に設置でき、広範囲にわたる振動吸収が可能です。
大和重工の防振定盤は、振動周波数に応じて最適な防振ユニットを選定しています。定盤とバネ系の固有振動数は3~8Hz程度に設計されており、低周波数から効果的に振動を抑えることが可能です。これにより、エンジンや機械装置が発生する振動を建物や床に伝わりにくくし、逆に床からの振動が定盤に影響を与えるのも防ぎます。
大和重工の防振定盤は、自動車メーカーや自動車部品メーカー、建設機械・農業機械メーカー、各種研究機関など、幅広い業界に導入されています。エンジン性能試験や精密機器の測定環境、研究開発における振動抑制を実現し、安定した試験環境を提供しています。これにより、製品の精度向上と試験データの信頼性を確保しています。
レイアウトに応じて、L型、T型、H型などの複雑な設置構成にも対応できる柔軟な設計が可能です。大型の作業場や特殊な試験機配置にも対応し、作業効率や検査精度を最大限に引き出すためのレイアウト調整が行われます。
定盤とバネ系の固有振動数は3~8Hz程度となるように、設計・製作します。固有振動数が低いほど、低い周波数から防振効果が発揮できます。
(理論的には固有振動数の√2倍の振動数から防振効果でが現れます。)
鉛直方向、水平方向とも可能です。
鉛直方向、水平方向とも可能です。
定盤の高さ(180mm~400mm)+防振装置の高さ(40mm~300mm)
複数の定盤構成でも対応致します。L型、T型、H型など、種々な試験機レイアウトに対応できます。
鋳物定盤カスタムナビを運営する大和重工株式会社には、定盤の製作実績が多数ございます。
大和重工の定盤「Daiwa定盤」には、上記写真のようにCAEを使用した構造解析を実施しております。定盤の耐荷重は、剛性と支持点の数によって決まります。積載する機械や装置の最大荷重に基づき、変形が許容値以下となるように設計いたします。必要に応じて、CAEによる構造解析を行い、変形状態を詳細にシミュレーションすることも可能です。
定盤平面度の精度は、機械加工を行った時点と据え付け後では異なります。
「Daiwa定盤」は、据え付け後で平面度の保証を行えるように、事前打合せを十分に行い、搬入方法、基礎への固定方法、レベル調整方法などを決めさせて頂き、据付作業も責任を持って請け負います。
一見すると困難に思えますが、定盤据付時の精度を維持して使い続ける事も、「Daiwa定盤」なら可能です。
「Daiwa定盤」には精度を維持し続けるために必要な機構が備わっています。定期的にメンテナンスを行うことで、据付時の精度を維持できますので、定期メンテナンスも安心してお任せください。
防振定盤の製作なら、6~10HZ以上で高い防振効果を実現可能。3m×8mまで一体型で鋳物定盤の設計製作・施工まで一貫対応いたします。ご相談・ご用命は鋳物定盤カスタムナビにお任せください。