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定盤コラム

Column

定盤の基礎知識

失敗しないレール定盤選び!導入前に必ずチェックすべきポイント

2025.01.24

レール定盤|鋳物定盤カスタムナビ

レール定盤を導入しようと検討されている方の中には、「レール定盤」と一口に言っても、どのような点に注意して選べば良いのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は、レール定盤には、精度、設置方法、メンテナンス性など、導入前に確認すべき重要なポイントがいくつかあります。

当社にご相談いただいた事例では、当初は一般的なレール定盤を採用しようとしていたものの、ヒアリングを通してコスト面やメンテナンス性を考慮して別の定盤を採用された、というケースもございます。

本記事では、レール定盤の基礎知識から、導入前に必ずチェックすべきポイント、そして、レール定盤の代替案まで、詳しく解説していきます。

 

定盤とは?

定盤は、一般的には機械装置の加工/組立/検査/実験などを行うための基準平面(水平面)として用いられます。

定盤の平面は「機械加工」「きさげ」等により、必要な精度に仕上げられています。表面は、機械や装置を固定するために、T溝加工やタップ穴加工が行われることが多く、測定のための基準線や基準溝を加工することも可能です。

また、必要となる平面精度を保証するために、剛性が高い材質が用いられ、その構造もリブ構造や箱型形状が多用されます。また、経年変化による平面度変化を校正するために、レベル調整機構が組み込まれている場合が多いです。

近年、その用途は自動車やエンジン等の振動実験、音響計測など多様化しており、防振機能など多様な機能が求められるようになってきております。

主な定盤の材質は、

  • 鋳鉄定盤
  • 石定盤(御影石)
  • セラミックス定盤

という3種類があります。

定盤の埋込タイプと据置タイプの違い

また定盤は、設置方式の違いにより、

  • 埋込タイプ
  • 据置タイプ

という2つに分けることができます。

レール定盤とは?

レール定盤とは、工作機械や大型ディーゼルエンジンなどの重量物を設置し、組立や試運転する際に必要となる定盤の一種です。T溝のレール状の形状が特徴で、長尺物の設置や移動に適しています。

レール定盤は、主に以下のような用途で使用されます。

組立作業: 重量物の組立作業の際に、安定した作業台として使用されます。

搬送: レール上を移動させることで、定盤上における重量物の搬送にも利用できます。

メリットとしては、長尺ワークの設置が容易になる点や、重量物にも耐えられる強度や剛性、レール形状のため定盤上のワーク設置が比較的容易で、レール定盤自体も比較的形状は単純のため価格も抑えることができる、などが挙げられます。

レール定盤にはいくつか種類がありますが、基本的には表面部にT溝が彫られていて、基礎固定・工場フロアに埋め込み・埋め戻しをするための土台形状がセットになっている形状が基本形状です。1つの長さはおよそ3000~4000mmのため、数十メートルにもおよぶレール定盤を設置するには、複数のレール定盤を組み合わせる必要があります。その際に、垂直方向での定盤間段差や、複数列の平行度を出すために、各定盤メーカーが工夫を凝らしています。

レール定盤の導入前に必ずチェックすべきポイント

当社にもレール定盤のご相談をいただくケースがございますが、レール定盤と前もって決まっているものの、丁寧にヒアリングをすると実はレール定盤ではない方が良い選択になって結果的にご満足いただいた、というケースもございます。

ここでは、レール定盤を導入する際に、いくつかの重要なチェックポイントをご説明いたします。

精度

レール定盤は、工作機械や大型エンジンなどの精密機器を組立・試運転するための基礎・基準となるものです。そのため、定盤自体の精度が非常に重要になります。定盤の精度が低いと、設置した機器の精度にも影響し、組立品質や試験制度に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、レール定盤自体の精度が良くても、レール定盤をフロアに埋め戻しする際に、どうしても設置誤差が生まれやすくなってしまいます。そして、実際に定盤を埋め戻しする際に、施工を担当するゼネコンではミリ単位の誤差は当たり前に生じるという前提のもとで施工を実施されます。しかしエンドユーザーの皆さまにお話を伺うと、本当はマイクロ単位の誤差に収めないと使えない、と据付後にトラブルとなったケースもお聞きしています。そのため、据付時にどれだけ平面度にこだわることができるか、という点も、本当にレール定盤でいいかどうかという選定に関わってきます。

強度

レール定盤は、重量物を支える必要があるため、強度も重要な要素です。強度が不足すると、定盤が変形したり、破損したりする可能性があります。

レール定盤の強度は、材質や構造によって異なります。一般的に、鋳鉄製のレール定盤は強度が高く、重量物にも耐えることができます。鋼材製のレール定盤は、鋳鉄製に比べて軽量ですが、強度は若干劣ります。

設置方法

レール定盤の設置方法も、導入前に確認しておくべき重要なポイントです。レール定盤は、基礎工事して埋め戻しによって設置する方法が主に採用されます。その際に、どのように設置するか、基礎の強度や平面度、水平度を考慮する必要があり、場合によってはレール定盤の精度に影響する可能性もあります。

レール定盤を前もって決めている方々にヒアリングすると、「精度はあまり考慮しておらず、それよりもコンクリートだとかけちゃうと思って、鉄のレールだけ敷きたいからレール定盤を探していました」というケースや、その要望をゼネコンに伝えて丸投げ、というケースが多いと感じています。

このような際は、精度の優先度が上がらないため、設置方法も大きなこだわりがなくなり、定盤の精度は大丈夫だけどなぜか誤差が出てしまう、という状態にもなりかねません。そのため、いずれにしてもレール定盤の設置方法についてもよく考慮する必要があります。

メンテナンス性

レール定盤は、長期間にわたって使用するため、メンテナンス性も重要な要素です。メンテナンスについては、レール部の清掃はもちろんのことですが、レール定盤自体の精度面のメンテナンスです。

レール定盤は基礎に埋め込み使用する定盤です。そのためレール定盤の精度が悪化しているためメンテナンスしたいという場合は、再度基礎工事して埋め戻しする必要があります。この際の無収縮モルタルが立米90万円程度になりますが、レール定盤は複数使用しているため総面積はかなり大きくなり、工事費用が非常に高額となります。レール定盤を使用し始めないとわからない点ですが、このメンテナンス性の悪さというはレール定盤の大きなデメリットになります。しかし工事費用が高く、精度が出ず、メンテナンスや精度校正したいけどできずに困っている、という方も多くいらっしゃいます。

その他にも、価格や納期等、様々なポイントがありますが、レール定盤をご依頼いただく際は総じて「精度」と「メンテナンス性」の2点の優先度が低くなっている傾向があります。しかしいざレール定盤の据付が完了したり、使い続けているうちに、「こんな予定ではなかったのに…」と後悔されている方もいらっしゃるのが実態です。そのため、レール定盤を導入する際に、他の選択肢がないかを検討する必要があります。

レール定盤の代替案

そのため、レール定盤を導入する前に、ぜひ検討していただきたい代替案があります。

H形鋼ユニット式レール定盤

大和重工が提案するH形鋼ユニット式レール定盤は、H形鋼をベースにレール部分をユニット化することで、通常のレール定盤では課題となる精度を解決することができます。具体的には、接着式アンカーボルトを打設後にH形鋼を固定し、H形鋼にレール定盤の本体を設置し、ボルト調整(レベル調整)を実施することで、高精度なレール定盤の据付を行うことができます。

溝加工あり平定盤

大和重工では、レール定盤から溝加工ありの平定盤に変更するご提案をして、実際に採用されたケースも多々ございます。上記の通り、メンテナンス時のコストや精度面を含めて、お客様が本当に必要な仕様が何かを整理することで、「レール定盤ではなくても、溝がある平定盤でもいいのでは?」となる場合もあります。

平定盤では強度面はもちろんのこと、溝の位置や形状も自由に設計することができ、様々な用途に使用することができます。またレール定盤で必要だった埋め戻しによる無収縮モルタルのコストも不要で、上面から精度校正をすることができるため、いつまでも理想平面を保つことができます。

このように当社では、フロアに鉄のレールが敷いてあればいいという表面的なご要望だけでなく、本当に何をお客様が求めているのか、どのような仕様だと最もお客様のご期待に応えることができるのか、という点を営業担当者が丁寧にヒアリングをすることで、結果的に精度調整が可能かつ高精度な大和重工製の定盤を選択いただくケースが多くなっています。そのため当社にレール定盤をご依頼いただくのは、ゼネコンの方々よりも、精度やメンテナンス性までとことんこだわり抜いたエンドユーザーの方々が多くなっています。。

鋳物定盤カスタムナビによる定盤製作

鋳物定盤カスタムナビを運営する大和重工株式会社には、定盤の製作実績が多数ございます。

大型鋳物定盤の豊富な経験と実績

当社では、最大長さ15mの定盤など、大型で高精度な定盤の製作実績が豊富にあります。お客様のニーズに合わせて、最適な材質、構造、加工方法を提案することができます。数mクラスの大型定盤になると対応可能なメーカーも少なくなるため、全国各地から当社に大型定盤についてお問い合わせをいただいております。また、工場新設段階からの図面協力など、トータルサポート体制も強みです。

大和重工の大型定盤は、自動車メーカーや自動車部品メーカー、建設機械・農業機械メーカー、各種研究機関など、幅広い業界に導入されています。

理想平面」を実現する定盤の設計力

大和重工では、高精度な平面度を実現する定盤設計に力を入れています。定盤の平面度は、組立精度や測定精度に直接影響を与えるため、非常に重要な要素です。当社では長年の経験とノウハウに基づき、お客様のニーズに合わせて最適かつ理想的な平面を確保できるよう、定盤の材質、構造、寸法などを厳密に設計しています。

また、実際に大型定盤を設置する際に、たとえどれほど定盤自体が平面度が高かったとしても、設置精度が悪ければ平面度を保証することはできません。そのため、高精度水準器等を用いて設置時に理想平面が出ているかどうかを確認する必要があります。

使用環境に応じた大型定盤の柔軟なカスタマイズ対応

大和重工は、作業現場やお客様のニーズに応じて大型定盤をカスタマイズします。例えば、T溝加工、Tスロナット挿入口、レベル調整機構など、様々なオプションに対応しています。もちろん納期やコスト面についても、顧客の要望に合わせて柔軟に対応しています。

また工場レイアウトに応じて、L型、T型、H型などの複雑な設置構成にも対応できる柔軟な設計が可能です。作業効率や検査精度を最大限に引き出すために、定盤も柔軟な設計調整をいたします。

 

CAE構造解析による、充分な剛性・許容荷重の確保

大和重工の定盤「Daiwa定盤」には、上記写真のようにCAEを使用した構造解析を実施しております。定盤の耐荷重は、剛性と支持点の数によって決まります。積載する機械や装置の最大荷重に基づき、変形が許容値以下となるように設計いたします。必要に応じて、CAEによる構造解析を行い、変形状態を詳細にシミュレーションすることも可能です。

 

据付作業まで一貫対応

定盤平面度の精度は、機械加工を行った時点と据え付け後では異なります。

「Daiwa定盤」は、据え付け後で平面度の保証を行えるように、事前打合せを十分に行い、搬入方法、基礎への固定方法、レベル調整方法などを決めさせて頂き、据付作業も責任を持って請け負います。

建屋新設の前段階でのゼネコン様向けの図面協力

大手メーカーの方々が工場を新設される際には、必ずゼネコンの方々も関係します。そしてゼネコンの方々が建屋の詳細設計をされる際に、定盤の基礎図が必須となってきます。しかしその段階で定盤メーカーが図面に協力するためには、工場への定盤の搬入ルートや基礎工事の方法等を考慮した上で設計する必要があり、積算金額の算出ができず対応可能な定盤メーカーが少ないのが実情です。

一方で当サイトを運営する大和重工では、図面協力段階からの定盤設計にも対応しております。これまでに数多くの大型定盤の据付工程まで対応した実績・現場経験ががあるため、搬入ルートの検討や施工要領を含めた図面協力をすることができます。建屋ができる前にCAD設計まで行い、ゼネコンの方々が工場新設時に積算する際にも、積極的な協力をさせていただいております。

そのため当社は、エンドユーザーの皆さまだけではなく、大手ゼネコンの皆さまからも定盤メーカーとして選ばれ続けております。定盤にそこまでこだわりがない場合は、エンドユーザーの皆さまはゼネコンの方々に定盤の見積りを出されます。その際にゼネコンの方々が定盤製造を依頼する先として、予算や積算の考え方を理解しており、図面協力することができる大和重工が選ばれております。

ゼネコンの皆さまと同じ目線・共通言語で定盤設計・据付についてお打ち合わせができる証として、当社では下記のような認定資格を保有しております。

  • 建築工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 管工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 建具工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 内装仕上工事業(国土交通大臣般-3第17166号)
  • とび・土木工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 公益社団法人日本下水道協会認定工場
  • 一般社団法人公共建築協会
  • ISO9001:2015 認証取得

 

定盤の定期メンテナンス・リニューアル

多くの定盤メーカーは、設計・製造・据付までの対応となり、設置後のアフターフォローはサービスに含まれていないことがほとんどです。しかし大型定盤においては、設置後の理想平面の維持が最も重要です。

定盤を使い続けると、どうしても平面度も設置した当初の平面度から変化をしてしまいます。そのため、設置した後にメンテナンスできるように、平面度を調整することができる機構があるかどうかというのは、定盤を長く使い続けていくうえで重要な要素の1つと言えます。

当サイトを運営する大和重工では、ジャッキ機構のような、設置後に理想平面を維持できる機構を採用することで、メンテナンス性も良い定盤の設計提案をしております。

そして当社では、他社ではあまり行われていない定盤の校正・メンテナンスもサービスとして含めてご提案しております。このアフターフォロー体制が、当社が数多くのお客様から選ばれている理由の1つです。

大和重工のレール定盤の事例・実績

続いて、実際に大和重工で製作から据付対応まで行った、レール定盤の事例・実績をご紹介いたします。

製品組立用レール定盤

組立用レール定盤|鋳物定盤カスタムナビ

設計事務所様から定盤のお問合せをいただき、建屋の設計段階における定盤の仕様決定から参画させていただきました。設計段階から参画できたことにより、その後のゼネコン様からのお問い合わせ対応もスムーズに行うことができました。

ポイントとして、レール定盤と架台部分の一体加工を行ったことにより剛性を担保しつつ、ご要望の平面度を達成できた点が挙げられます。

大型製缶品の溶接加工用レール定盤

レール定盤(大型製缶品を固定し溶接加工)|鋳物定盤カスタムナビ

定盤敷設面積が広大であるため、製品固定部分のみ定盤が欲しいとのご相談をいただきました。レール定盤は基礎部に設置しモルタル等で埋め戻す対応が必要なため、建屋設計段階からご協力をさせていただきました。

ポイントとして、建屋設計段階から参画し、建屋図面に定盤仕様が反映できた点が挙げられます。結果として、据付工事に至るまでスムーズに実施することが可能となりました。

製品組立用レール定盤

レール定盤|鋳物定盤カスタムナビ

定盤敷設面積が広大となるため、製品固定部分のみ定盤が欲しいとのご相談をいただきました。レール定盤は、基礎部に設置後にモルタル等で埋め戻す対応が必要なため、ゼネコン様と設計段階からお打合せをさせていただきました。

ポイントとして、定盤のT溝部分を無垢材で製作できた点が挙げられます。本来であれば加工が必要となるT溝部分ですが、当社のレール定盤のT溝は一定の呼び寸法までは無垢材での製作が可能でコストを抑えることが可能です。

レール定盤の製作なら、鋳物定盤カスタムナビにお任せください

3m×8mまで一体型で鋳物定盤の設計製作・施工まで一貫対応いたします。ご相談・ご用命は鋳物定盤カスタムナビにお任せください。

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