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定盤コラム

Column

定盤の基礎知識

大型定盤の設置工事時の搬入方法とは?

2025.09.01

大型定盤の設置工事時の搬入方法とは?

大型定盤の導入を検討する際、「自社の工場は条件が厳しくて、搬入・設置は難しいのではないか」とお悩みではありませんか?

大型定盤の搬入・設置工事は、単に重量物を運ぶのではなく、現場でミクロン単位の精度を再現する極めて専門的な作業です。製品の品質、作業の安全、そして基準器としての精度を担保するために専門技術が不可欠であり、その工事は周到な準備と計画的なステップに沿って進められます。特に天井クレーンが使えない現場では、チルローラーなどを駆使した特殊な搬入技術が求められるため、業者選びでは実績や安全体制、精度保証といったポイントを慎重に見極める必要があります。

本記事では、大型定盤の搬入・設置工事の概要から、その専門性が求められる理由、具体的な工事の流れ、現場状況に応じた搬入技術、信頼できる業者選びのポイント、そして大和重工ならではの対応力と実際の工事フローまで、詳しく解説いたします。

大型定盤の「搬入・設置工事」とは?

大型定盤の設置工事時の搬入方法とは?

大型定盤は、工作機械による加工、精密機器の組み立て、製品の検査といった、製造業におけるあらゆる工程の基準となる「基準平面」の役割を担う、極めて重要な設備です。大型定盤の平面度はミクロン単位で管理されており、この定盤の精度が製品全体の品質を左右すると言っても過言ではありません。

そんな大型定盤を工場に導入する際に行われる「搬入・設置工事」ですが、大型定盤の搬入・設置工事は、「単に重量物を運んで、置く」という単純な作業ではありません。大型定盤の搬入・設置工事は、「数十トンにも及ぶ重量物である定盤を、工場内の指定された場所まで安全に運び込み、さらに製品出荷時に保証されたミクロン単位の平面度を、設置現場で完全に再現・保証するための一連の専門作業」です。

輸送時の振動や吊り上げ時のわずかなねじれ、設置場所の床の傾きなど、定盤の精度を狂わせる要因は数多く存在します。これらの影響をすべて排除し、定盤が持つ本来の性能を100%引き出すためには、重量物取り扱いの知識と経験はもちろん、水平を出すレベル調整や、設置後の精度測定といった高度なエンジニアリング技術が必要不可欠です。

このように大型定盤の搬入・設置工事は、単なる運送業務や土木工事とは一線を画す、極めて専門性の高い工事です。この工事の品質が、その後の工場の生産性や品質管理体制の根幹を支えることになるため、非常に重要な工程として認識する必要があります。

なぜ、定盤の搬入・設置には専門的な技術が不可欠なのか?

では、なぜそこまで専門的な技術が不可欠とされるのでしょうか。その理由は、定盤が担う「品質」「安全」「精度」という3つの極めて重要な要素に集約されます。

理由1:製品の「品質」を根底から支える基準器であるため

定盤は、その上で加工や組立、検査が行われる全ての製品の品質を保証する「基準平面」です。万が一定盤が正しく設置されず、わずかでも傾きや歪みがあれば、その上で作られる製品は全て、意図しない寸法や形状で完成してしまいます。製品の精度が悪くなれば、不良品の流出による信用の失墜や、大規模なリコールに繋がりかねないません。企業の品質管理体制そのものの信頼性を担保するためにも、基準となる定盤の完璧な設置が絶対条件となります。

理由2:人命に関わる「安全」管理が絶対条件であるため

大型定盤は、その名の通り数トンから時には数十トンにも及ぶ重量物です。このような重量物の取り扱いには、高度な安全管理技術が求められます。搬入経路のわずかな段差や、床の耐荷重の見誤り、使用する機材の選定ミスなどが、作業員の人命に関わる大事故や、高価な定盤本体・周辺設備の深刻な破損に直結します。綿密な作業計画の策定、適切な搬入機材の選定と操作技術、そして不測の事態に備えるリスク管理能力を持つ専門家でなければ、安全な工事は実現できません。

理由3:設置環境に合わせた「ミリ単位の精度調整」が求められるため

工場の床は、一見すると平らに見えますが、実際には完全な水平ではありません。また、定盤はそれ自体の重さによって、設置の仕方次第でわずかに「たわみ」が生じます。

専門的な設置工事では、これらのマイナス要因を全て計算に入れ、無数の調整箇所をミリ単位、時にはミクロン単位で調整し、理想的な水平面を創り出します。レベル出しと呼ばれる調整作業は、高精度な測定器を使いこなす知識と、長年の経験に裏打ちされた職人的な感覚の両方が必要とされる、まさに専門技術の真骨頂と言える作業です。

【12ステップで解説】大型定盤の搬入から据付までの一般的な流れ

専門技術が不可欠である定盤の搬入・設置工事が、実際にはどのような手順で進められるのか、その全体像を解説します。安全と精度を両立させる工事は、大きく「事前準備フェーズ」と「現場作業フェーズ」の2段階に分けられます。

【事前準備フェーズ

高精度な定盤の据付工事の成否は、現場作業が始まる前の「事前準備」で8割が決まると言っても過言ではありません。ここでは、机上での計画から物理的な手配まで、周到に行われる準備作業を紹介します。

01:問い合わせ・ヒアリング

まず、お客様が定盤をどのような用途で、どのような設備と組み合わせて使用するのか、要求される精度はどの程度か、といった根本的な情報をヒアリングします。

02:現地調査

専門の技術者が現地に赴き、搬入経路(通路幅、高さ、曲がり角、床の段差)、設置場所の床の材質・耐荷重、クレーンの有無、周辺設備との干渉などをミリ単位で実測し、写真や図面に記録します。

03:計画策定・見積提出

調査結果に基づき、最も安全かつ効率的な搬入方法、使用機材、人員配置、作業手順を盛り込んだ詳細な計画書と工程表を作成し、見積書とともに提出します。

04:各種手配・申請

計画に沿って特殊な工具や仮設材を手配します。公道を使用する場合は「道路使用許可」、大型車両で輸送する場合は「特殊車両通行許可」など、必要な行政手続きも専門家として代行・実施します。

【現場作業フェーズ】

全ての準備が整った後、いよいよ現場での作業が開始されます。計画書に基づき、安全を最優先しながら、一つひとつの工程を確実に行っていきます。

05:墨出し・アンカー施工

設計図面通りに、定盤の設置位置や基礎部品の位置を床に正確にマーキング(墨出し)します。全ての作業の基準となるため、寸分の狂いも許されません。その後、定盤を固定するためのアンカーを施工します。

06:搬入経路の養生

搬入経路上にある床や壁、既存の設備などを、鉄板やプラスチックパネルで覆い、傷や衝撃から保護します。

07:定盤荷下ろし・コロ引き搬入

トラックで輸送された定盤を、クレーン等で慎重に荷下ろしします。その後、チルローラー(コロ)を下に敷き、ウインチや人力でゆっくりと設置場所まで引き込みます。

08:定盤据付

墨出し線に合わせて定盤を配置し、ジャッキを使って定盤をわずかに持ち上げ、最終的な位置調整を行います。

09:定盤平面度調整(レベル出し)

最も専門技術を要する工程です。高精度デジタル水準器などを用い、定盤に複数あるレベル調整機構を操作しながら、気の遠くなるような微調整を繰り返し、ミクロン単位の完璧な水平面を作り出します。

10:固定・周辺仕上げ

レベルが出た状態で、定盤と基礎を無収縮モルタルなどで完全に固定します。ピットとの隙間を縞鋼板で塞ぐなどの仕上げ作業も行います。

11:定盤部品取付

仕様に応じて、ジャッキ穴の蓋など、付属品を定盤に取り付けます。

12:工事完了報告・施主確認

全ての作業完了後に清掃を行い、お客様立ち会いのもと、作業内容と精度測定結果を報告し、最終確認を経て引渡しとなります。

搬入方法の鍵を握る「現場状況」とは?

上記で解説した一連のフローの中でも、特に工事の難易度とコストを大きく左右するのが「搬入方法」の選定です。そして、その搬入計画を策定する上で最も重要な判断基準となるのが、工場内に天井クレーンが設置されており、かつそれが安全に使用可能かどうか、という点です。ここでは、代表的な2つのケースについて解説します。

ケース1:天井クレーンが使用できる場合

工場内に、導入する定盤の重量を十分に吊り上げられる能力を持った天井クレーンがあり、かつその可動範囲内に設置場所がある場合、これが最も標準的かつ効率的な搬入方法となります。 トラックで運ばれてきた定盤を工場の搬入口で直接クレーンで吊り上げ、他の設備の上などを通過させて設置場所の真上まで移動させ、そのままゆっくりと降ろして据え付けることが可能です。

この方法のメリットは、作業時間の短縮、床面への負担軽減、そして何よりも作業の安全性が高い点にあります。

ただし、当然ながらクレーンの定格荷重(吊り上げ能力)が定盤の重量を上回っていること、クレーンの走行範囲やフックの可動範囲内に設置場所があることが絶対条件です。これらの条件を満たさない場合は、たとえクレーンがあっても使用できないケースに分類されます。

ケース2:天井クレーンが使用できない(制約が多い)場合

一方で、工場の構造や設備の増改築、生産ラインのレイアウト変更などの理由で、この天井クレーンが使えない、あるいは届かないといったケースは決して少なくありません。 具体的には、

  • そもそも建屋に天井クレーンが設置されていない
  • クレーンの能力が、導入する定盤の重量に満たない
  • 搬入経路上にクレーンの可動を妨げるダクトや配管、他の機械設備がある
  • 設置場所が建屋の奥まった場所や地下ピットなど、クレーンのフックが届かない

といった状況が挙げられます。 このような制約の多い現場こそ、搬入業者の技術力、経験、そして対応力が真に問われる場面です。

仮設の門型クレーンを組んで対応する方法もありますが、それすら設置できないような狭い場所では、「チルローラー」や「ジャッキ」といった道具を巧みに駆使した、まさに職人技と呼べる特殊な搬入技術が求められます。

チルローラー 大型定盤の設置工事時の搬入方法とは?

チルローラーとは、重量物運搬用の特殊なローラーです。チルローラーには、スイッチ操作で自走可能な電動チルローラーと、独自の動力を持たないチルローラーの2種類があります。

電動チルローラーは操作用のスイッチを有線接続することで、作業員が前進・後進を自在にコントロールできます。また他の動力を必要とせず、重量級の定盤もスムーズに動かせるのが特徴です。しかし非常に高価となるのがデメリットです。

一方の動力をもたないチルローラーは、ウインチやフォークリフトなど、別の動力源と組み合わせることで大型定盤の移動を可能にします。ウインチやフォークリフトが使えない特殊な状況を除けば、一般的にこちらのタイプがよく使われます。

電動チルローラーは、一般的なチルローラーに比べて格段に使い勝手が良く、効率的な作業が可能です。しかし、非常に高価な機材であり、一般的なチルローラーよりもデリケートな扱いが求められます。

一般的なチルローラー 大型定盤の設置工事時の搬入方法とは?

一般的なチルローラー

電動チルローラー 大型定盤の設置工事時の搬入方法とは?

電動チルローラー

天井クレーンが使えない場合、定盤はこのチルローラーの上に乗せられ、重量物搬入を熟知したプロの技術者によって搬入作業が実施されます。 特に、定盤をピット内に収める場合、ピット内にステージと呼ばれるチルローラー専用の仮設通路を設置し、その上で巨大な定盤を旋回させて向きを変えたりすることで、定盤の位置を調整します。 そして、定盤の位置が定まれば、ステージと積み重ねられたスペーサーを巧みに入れ替えながらジャッキで定盤を少しずつ下げていき、定盤をゆっくりと、確実にピットの底へと沈めていきます。

失敗しない搬入業者を選ぶ際に、必ず確認すべき2つのポイント

ここまで述べたように、特に制約の多い現場では、業者の技術力によって工事の成否が大きく左右されます。しかし、会社情報やウェブサイトを見ただけでは、どの業者を信頼してよいか判断するのは難しいものです。ここでは、大型定盤の搬入・設置という重要なプロジェクトを任せる業者選びで失敗しないために、発注前に必ず確認すべき2つの重要なポイントを解説します。

豊富な実績と専門知識があるか

自社が依頼したい工事と類似した、難易度の高い大型定盤の据付実績があるかを確認するのが重要です。

実績の具体性

公式サイトなどで、導入したい定盤のサイズや、自社の現場状況(ピット設置、クレーンなし、狭い工場入口での搬入など)と類似した工事の事例が、写真や具体的な解説付きで紹介されているかを確認する必要があります。

提案力と対話力

実際にお問い合わせした後の対応や現地調査の際に、お客様の質問や懸念点に対して、専門用語を交えつつも分かりやすく回答できるかを見極める必要があります。リスクを正直に伝え、それに対する具体的な対策案を提示できる業者は、信頼できると言えます。

特に搬入や据付時の流れをわかりやすく図面ベースで話があるかどうかが、大きな差別化要素となります。

公的な信頼性

これは前提となりますが、建設業許可といった許認可の有無や、所属技術者が持つ関連資格などを明示しているかどうかも、専門知識を測る一つの指標となります。

設置後の精度保証まで責任を持って対応できるか

「搬入して終わり」ではなく、その定盤が「基準平面」として正しく機能する状態にするところまでが専門業者の仕事です。この点が、プロフェッショナルと単なる工事業者とを分ける決定的な違いです。

保証の範囲

「据付後の平面度」を明確に保証しているか、データが細かく記載された検査成績書を提出することが可能かどうか、このあたりを見る必要があります。

また、どのような測定器(例:高精度デジタル水準器)を使い、どのような基準(例:JIS B 7513)に則って平面度を測定するのかを、明確に説明があるかどうかも重要です。

長期的な視点

設置後の定期的なメンテナンスや、経年変化によるズレが生じた際の再調整・校正にも対応してくれるかは、長期的なパートナーとして信頼できる体制があるかのわかりやすい指標と言えます。

大和重工だからこそ可能な、高精度な定盤搬入・設置工事

前章では、失敗しない業者選びのポイントを3つ解説しました。私たち大和重工(鋳物定盤カスタムナビ)は、これら全てのポイントにおいて、お客様にご満足いただける体制と技術力、そして情熱を持っています。ここでは、大和重工だからこそご提供できる、他社にはない価値についてご紹介します。

【他社にはないプロの技】クレーン不要の難所を攻略する搬入技術

私たちは特に天井クレーンが使用できない難所での搬入・設置を得意としています。大和重工では、長年の経験を持つ自社社員だけでなく、全国の信頼できる重量物搬送のプロとパートナーシップを結んでおります。

クレーンが使えない現場では、チルローラーと専用ステージを巧みに組み合わせ、巨大な定盤を水平移動させたり、ピット上で旋回させたりと工夫を施して、大型定盤を工場内に搬入いたします。さらにピット内へ定盤を収める際には、ジャッキダウンによって一段ずつ慎重に定盤を沈めていく精密な作業を行います。このような特殊技術があるからこそ、「設置は無理だ」と諦めかけていたお客様の課題を、私たちは解決に導いてきました。

設計から製作、メンテナンスまで一貫して担う「ワンストップ対応力」

当社は天保2年(1831年)創業の鋳物メーカーとして、CAE解析を駆使した最適な定盤の「設計・製作」から、責任を持った「搬入・設置」、そして「設置後の精度保証」と、その後の「アフターフォロー」まで、全ての工程を一貫してご提供します。 また、設置して終わりではなく、設置後の定期的なメンテナンスや、経年変化による精度劣化時の再調整・校正にも対応しており、お客様の大型定盤の精度を長期にわたって守り続けます。

建屋の設計段階から関与できる「ゼネコン対応力」

工場や建屋の新設といった大規模プロジェクトにおいて、大和重工はその初期段階である「設計段階」から関与できる、数少ない定盤メーカーです。大手ゼネコンや設計事務所の皆様とも、専門用語で対等にお打ち合わせを行い、定盤の基礎図面の提供や、プロジェクト全体の積算協力まで行える専門知識と実績があります。上流工程からの対応力により、プロジェクト全体の手戻りをなくし、スムーズな進行に定盤ベースで貢献できるのが、大和重工の最大の特徴と言えます。

鋳物定盤カスタムナビによる定盤製作

鋳物定盤カスタムナビを運営する大和重工株式会社には、定盤の製作実績が多数ございます。

大型鋳物定盤の豊富な経験と実績

当社では、最大長さ15mの定盤など、大型で高精度な定盤の製作実績が豊富にあります。お客様のニーズに合わせて、最適な材質、構造、加工方法を提案することができます。数mクラスの大型定盤になると対応可能なメーカーも少なくなるため、全国各地から当社に大型定盤についてお問い合わせをいただいております。また、工場新設段階からの図面協力など、トータルサポート体制も強みです。

大和重工の大型定盤は、自動車メーカーや自動車部品メーカー、建設機械・農業機械メーカー、各種研究機関など、幅広い業界に導入されています。

理想平面」を実現する定盤の設計力

大和重工では、高精度な平面度を実現する定盤設計に力を入れています。定盤の平面度は、組立精度や測定精度に直接影響を与えるため、非常に重要な要素です。当社では長年の経験とノウハウに基づき、お客様のニーズに合わせて最適かつ理想的な平面を確保できるよう、定盤の材質、構造、寸法などを厳密に設計しています。

また、実際に大型定盤を設置する際に、たとえどれほど定盤自体が平面度が高かったとしても、設置精度が悪ければ平面度を保証することはできません。そのため、高精度水準器等を用いて設置時に理想平面が出ているかどうかを確認する必要があります。

使用環境に応じた大型定盤の柔軟なカスタマイズ対応

大和重工は、作業現場やお客様のニーズに応じて大型定盤をカスタマイズします。例えば、T溝加工、Tスロナット挿入口、レベル調整機構など、様々なオプションに対応しています。もちろん納期やコスト面についても、顧客の要望に合わせて柔軟に対応しています。

また工場レイアウトに応じて、L型、T型、H型などの複雑な設置構成にも対応できる柔軟な設計が可能です。作業効率や検査精度を最大限に引き出すために、定盤も柔軟な設計調整をいたします。

 

CAE構造解析による、充分な剛性・許容荷重の確保

大和重工の定盤「Daiwa定盤」には、上記写真のようにCAEを使用した構造解析を実施しております。定盤の耐荷重は、剛性と支持点の数によって決まります。積載する機械や装置の最大荷重に基づき、変形が許容値以下となるように設計いたします。必要に応じて、CAEによる構造解析を行い、変形状態を詳細にシミュレーションすることも可能です。

 

据付作業まで一貫対応

定盤平面度の精度は、機械加工を行った時点と据え付け後では異なります。

「Daiwa定盤」は、据え付け後で平面度の保証を行えるように、事前打合せを十分に行い、搬入方法、基礎への固定方法、レベル調整方法などを決めさせて頂き、据付作業も責任を持って請け負います。

建屋新設の前段階でのゼネコン様向けの図面協力

大手メーカーの方々が工場を新設される際には、必ずゼネコンの方々も関係します。そしてゼネコンの方々が建屋の詳細設計をされる際に、定盤の基礎図が必須となってきます。しかしその段階で定盤メーカーが図面に協力するためには、工場への定盤の搬入ルートや基礎工事の方法等を考慮した上で設計する必要があり、積算金額の算出ができず対応可能な定盤メーカーが少ないのが実情です。

一方で当サイトを運営する大和重工では、図面協力段階からの定盤設計にも対応しております。これまでに数多くの大型定盤の据付工程まで対応した実績・現場経験ががあるため、搬入ルートの検討や施工要領を含めた図面協力をすることができます。建屋ができる前にCAD設計まで行い、ゼネコンの方々が工場新設時に積算する際にも、積極的な協力をさせていただいております。

そのため当社は、エンドユーザーの皆さまだけではなく、大手ゼネコンの皆さまからも定盤メーカーとして選ばれ続けております。定盤にそこまでこだわりがない場合は、エンドユーザーの皆さまはゼネコンの方々に定盤の見積りを出されます。その際にゼネコンの方々が定盤製造を依頼する先として、予算や積算の考え方を理解しており、図面協力することができる大和重工が選ばれております。

ゼネコンの皆さまと同じ目線・共通言語で定盤設計・据付についてお打ち合わせができる証として、当社では下記のような認定資格を保有しております。

  • 建築工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 管工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 建具工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 内装仕上工事業(国土交通大臣般-3第17166号)
  • とび・土木工事業(国土交通大臣 般-3第17166号)
  • 公益社団法人日本下水道協会認定工場
  • 一般社団法人公共建築協会
  • ISO9001:2015 認証取得

 

定盤の定期メンテナンス・リニューアル

多くの定盤メーカーは、設計・製造・据付までの対応となり、設置後のアフターフォローはサービスに含まれていないことがほとんどです。しかし大型定盤においては、設置後の理想平面の維持が最も重要です。

定盤を使い続けると、どうしても平面度も設置した当初の平面度から変化をしてしまいます。そのため、設置した後にメンテナンスできるように、平面度を調整することができる機構があるかどうかというのは、定盤を長く使い続けていくうえで重要な要素の1つと言えます。

当サイトを運営する大和重工では、ジャッキ機構のような、設置後に理想平面を維持できる機構を採用することで、メンテナンス性も良い定盤の設計提案をしております。

そして当社では、他社ではあまり行われていない定盤の校正・メンテナンスもサービスとして含めてご提案しております。このアフターフォロー体制が、当社が数多くのお客様から選ばれている理由の1つです。

大和重工の大型鋳物定盤の事例・実績

続いて、実際に大和重工で製作から据付対応まで行った、大型鋳物定盤の事例・実績をご紹介いたします。

レイアウトマシン用定盤

検査定盤|鋳物定盤カスタムナビ

レイアウトマシン設置用の定盤として、基準溝が加工してある仕様にてご相談をいただきました。また、定盤搬入据付工事をスムーズに行えるよう、建屋の設計段階からご協力させていただきました。

ポイントとして、レイアウトマシン用の基準溝やタップ穴加工を実施、さらに輸送の都合上、定盤は一体加工後に分割して輸送、現地にて組み立て作業を行いました。結果、分割定盤であっても高精度な定盤を納入することができ、お客様からもご満足いただいております。

製品測定用定盤

製品測定用定盤

お客様から工場新築に伴い、製品検査用の定盤についてご依頼をいただきました。また、工場の設計段階からご提案をさせていただき、定盤据付基礎部分の仕様についても図面協力をさせていただきました。

ポイントとして、定盤にケガキ線を導入・大荷重ワークに対応するため上面からジャッキ調整が可能な構造を採用し、モルタルで埋め戻していただいた点です。結果として大荷重におよぶワークにも問題なく保持できる定盤としてご使用いただいております。

プレス金型の測定検査用定盤

部品測定用定盤|鋳物定盤カスタムナビ

自動車用プレス金型のメーカー様から、プレス金型の検査用定盤としてご相談をいただきました。また、お客様が実際に使用する検査治具を確認しながら定盤高さ設計を行うなど、お客様の使い勝手に合わせた定盤設計・ご提案を行わせていただきました。

ポイントとしては、クロス溝の加工精度にこだわった点が挙げられます。お客様の製品計測時の基準となる溝ですので、当社での加工の際には真直度と直角度の確認を行いながら加工を行いました。

車体測定用定盤

車体測定用定盤|鋳物定盤カスタムナビ

ピット内に埋め込まれており、かつ精度良く製品測定を行うために定盤のご相談をいただきました。ポイントとして、ピットを埋め戻す際の無収縮モルタル施工を行いやすくするため、定盤側面に空気孔や打設状況を確認できる上面穴の追加設計を行ったが挙げられます。

T溝付き 製品測定用定盤

T溝付き 製品測定用定盤|鋳物定盤カスタムナビ

定盤新設のご相談をお客様からいただきましたが、他設備の新設もあるため、限られた予算内での製作をご要望でした。そこで、定盤本体は無垢材の一体成型とし、上面加工とレベル調整に必要なジャッキ穴等の加工を自社内で行い、コスト面で最適化を行うことができました。

大型製缶品の溶接組立用定盤

大型製缶品の溶接組立用定盤

大型製缶品の溶接組立用定盤としてご依頼をいただきました。お客様とお打合せを重ねる中で、希望納期に納入可能であることをご希望でしたので、当社としても納期面でご協力をさせていただきました。

ご希望納期に合わせること以外にもT溝加工を行い、定盤納入後は検査定盤として問題なくご使用いただけており、お客様にもご満足いただいております。

製品組立用定盤

製品組立用定盤

お客様の新工場立ち上げに伴い、製品の組立・検査等を行う高剛性の定盤としてご依頼いただきました。また、建屋設計段階からご協力をさせていただき、図面協力も行わせていただきました。ポイントとして、T溝加工に加え上面からレベル調整が可能な機構を追加した点が挙げられます。

製品組立用レール定盤

組立用レール定盤|鋳物定盤カスタムナビ

設計事務所様から定盤のお問合せをいただき、建屋の設計段階における定盤の仕様決定から参画させていただきました。設計段階から参画できたことにより、その後のゼネコン様からのお問い合わせ対応もスムーズに行うことができました。

ポイントとして、レール定盤と架台部分の一体加工を行ったことにより剛性を担保しつつ、ご要望の平面度を達成できた点が挙げられます。

大型製缶品の溶接加工用レール定盤

レール定盤(大型製缶品を固定し溶接加工)|鋳物定盤カスタムナビ

定盤敷設面積が広大であるため、製品固定部分のみ定盤が欲しいとのご相談をいただきました。レール定盤は基礎部に設置しモルタル等で埋め戻す対応が必要なため、建屋設計段階からご協力をさせていただきました。

ポイントとして、建屋設計段階から参画し、建屋図面に定盤仕様が反映できた点が挙げられます。結果として、据付工事に至るまでスムーズに実施することが可能となりました。

大型製缶品の溶接組立用定盤

溶接組立定盤|鋳物定盤カスタムナビ

最大60tの製品を製缶作業、組立、検査を行う長さ15mの定盤のご相談を頂きました。

ポイントとして、7mと8mの長さの定盤を組合せて定盤分割面を減らして、経年変化に強い定盤をご提案させていただき、お客様のご要望にお応えすることができました。

製品組立用レール定盤

レール定盤|鋳物定盤カスタムナビ

定盤敷設面積が広大となるため、製品固定部分のみ定盤が欲しいとのご相談をいただきました。レール定盤は、基礎部に設置後にモルタル等で埋め戻す対応が必要なため、ゼネコン様と設計段階からお打合せをさせていただきました。

ポイントとして、定盤のT溝部分を無垢材で製作できた点が挙げられます。本来であれば加工が必要となるT溝部分ですが、当社のレール定盤のT溝は一定の呼び寸法までは無垢材での製作が可能でコストを抑えることが可能です。

大型鋳物定盤の製作なら、鋳物定盤カスタムナビにお任せください

3m×8mまで一体型で鋳物定盤の設計製作・施工まで一貫対応いたします。ご相談・ご用命は鋳物定盤カスタムナビにお任せください。

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