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定盤コラム

Column

定盤の基礎知識

エンジンベンチ用定盤とは

2024.09.11

エンジンベンチとは

エンジンベンチとは、自動車、二輪車、船舶などのエンジン単体で性能検証を行う際に使用する試験装置のことです。エンジン単体をエンジンベンチ上にセットし、吸排気系や補器類を付けた状態でモーターを回転させます。その際に電流をかけて回転に負荷をかけることで、測定数値を計測し安全性に問題がないか、マフラーの直系や吸気系の長さを変化させて比較測定を行い、最適な値を求めるための性能試験を行います。

エンジンベンチに定盤が必要な理由

エンジンベンチを使用する際には、定盤もあわせて必要となります。エンジンベンチに定盤が必要な理由として、以下が挙げられます。

1.防振性

自動車エンジンなどを高速回転させて行う性能試験のため、試験中には大きな振動が発生します。しかし、性能試験はエンジンの状況や負荷のかかり具合などの緻密な測定が要求されるため、試験結果にこの振動の値が影響してしまうと精密な測定結果が得られません。そのため、エンジンの高速回転から発生する振動に対しての防振性を備えたエンジンベンチ用の定盤が必要とされます。

2.耐久性

エンジンベンチを使っての性能試験は非常に長時間にわたる場合もあります。また、エンジン本体や付属する測定機器類なども含めると重量も大きくなる場合があります。よって、エンジンベンチを設置する場所については、長時間に渡り、重量物を支えられるだけの耐久性が求められます。そのため、長時間、重量物を支えられるようなエンジンベンチ用の定盤が求められます。

3.複数回検査時のテスト環境を均一化

エンジンベンチでの性能試験は、長期間にわたり条件を変更して複数回繰り返されます。そのため、毎回の試験においてテスト環境を均一化することが必要です。しかし、長期間の試験であり、重量物での測定となるため設置面のたわみなどの影響が発生する可能性もあります。よって定期的にテスト環境を回復させる必要があります。そのため、納入後にも校正が可能であるエンジンベンチ用定盤が求められています。

エンジンベンチ用定盤に求められるポイント

エンジンベンチ用定盤を活用する中で起こるトラブルには以下のようなものがあります。

1.性能試験中の環境安定化

エンジンベンチでの性能試験中に、エンジンから発生する振動や定盤のたわみによって試験環境が変化する場合があります。エンジンベンチ用定盤の耐久性が低いとこのようなトラブルが発生します。そのため、定盤には性能試験中に環境が変わらないような精度が求められます。

2.試験仕様にあったサイズ

性能試験はエンジンの種類や必要となる検査機器によって、設置面積が異なります。そのため、それぞれの目的に合った定盤サイズが求められます。しかし、希望の定盤サイズがメーカーの規格品として存在しない場合もあります。また、大型定盤などの要望に対してはそもそも対応ができないとなる場合も考えられます。

3.新規導入時の特別ピッチ対応

自動車のエンジンが常に新しくなるように、性能試験の詳細も常に新しくなります。そのため、定盤の導入時には最新の測定方法となる、エンジンや測定機器の設置位置に対応したT溝などを入れるなどの特殊仕様が求められます。しかし、メーカーの規格外のものや特殊対応などについては対応ができない可能性も考えられます。

大和重工のエンジンベンチ用定盤の特徴

大和重工ではエンジンベンチ用定盤の設計・制作を行っています。当社製のエンジンベンチ用定盤の特徴は以下の通りです。

1.最新の解析技術から環境変化をシミュレーション

大和重工では定盤設計の際に最新の解析技術を用いて、長時間の性能試験でも問題なくご使用いただける定盤を制作いたします。高精度な鋳物定盤製造により、重量物に対してもたわみなどが発生せず、安定してご使用いただける定盤を提供いたします。

2.3mx8mまでの大型対応

大和重工では3mx8mまでの特殊大型サイズまで対応可能です。エンジンベンチでの性能試験となりますと3mクラスのサイズが必要となりますが、そちらの要求に対しても対応することが可能です。大型定盤の据付であっても理想平面を出すレベル出し技術も当社の特徴となります。

3.T溝などの特殊対応可能

試験の内容に合わせた特殊使用にも対応可能です。エンジンや測定機器の設置に合わせたT溝の作成や、長期間のご使用を見据えた防錆処理なども対応いたします。またお客様の設置環境に合わせて、最適な追加工を行うことも可能です。設置・搬入スペースに制限がある場合にも、定盤を分割した設計を提案することなどにも実績がございます。

大和重工の事例

当社で実績のある事例をご紹介します。

動力性能試験定盤

動力性能試験定盤|鋳物定盤カスタムナビ

自動車用モータ試験の際、モータ評価装置を固定するための定盤としてご相談をいただきました。また、モータ評価装置固定用のT溝を格子状にしたいとのご要望がございました。

ポイントとして、格子状のT溝以外にも定盤中心にケガキ溝を加工するなど、お客様の使い勝手にこだわった仕様も追加させていただき、ご満足いただいております。

>>>詳細はこちら

 

 

試験定盤

お客様の工場新築を機に新設定盤のご相談をいただきました。 また、お打合せを重ねて建屋設計の段階に定盤仕様を確定いただき、建屋図面に反映いただけるよう図面協力させていただきました。

ポイントとして、新築建屋の計画当初から参画し、細かなご要望にお応えできた点が挙げられます。結果として、高精度定盤を納入させていただきお客案さからもご満足いただいております。

>>>詳細はこちら

エンジンベンチ用定盤なら当社にお任せ

鋳物定盤カスタムナビを運営する大和重工では、防振性や耐久性が求められるエンジンベンチ用定盤を制作しております。二輪向け、四輪向けなど様々な用途に向けた定盤の実績もございます。

近年では、試験内容が変更となり定盤もそれに合わせて設計してほしい、試験設備の大型化に伴って定盤も大型化したい、校正ができる定盤に更新して長期間使用したい、とのお声をいただくことが増えています。

大和重工では、特殊対応や大型対応、また据付後のメンテナンスを考慮した設計・制作・据付、そして納品後のメンテナンスまで一貫して対応しております。エンジンベンチ用定盤の導入についてお悩みの際は、ぜひ大和重工までご相談ください。

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